monthly Doujin Review
「かつまれい」とは? 「かつまれい」さんとは、PCゲームの原画やテレカのイラストなどを描いているイラストレータ属性の漫画家さんであり、同人誌作家さんでもあります。葉鍵(Leaf & Key)系CG集を中心に同人誌活動を展開していましたが、2001年に入ってからはガンパレ(ガンパレードマーチ)やサクラ大戦3の漫画にも活動範囲を拡げています。 さすがはイラストレータ属性の作家さんだけあって、色の使い方ひとつ取ってもクオリティが高いです。鮮やかなカラー表紙(→)、確かなデッサン力で描かれる鉛筆画のイラスト、自己流にアレンジ・ディフォルメされたキャラ… 元ネタを知らなくても思わず手に取ってしまいました。この作品を読んでガンパレ購入を決意した人も、いるとかいないとか。 ぽややん&お、おのれ〜 この作品はガンパレの4コマ漫画です。全体的に「ぽややん」な展開ですが、オチは「お、おのれ〜」という展開になっています。「やきもち焼き状態のお弁当」「ののみのにっき」「恥ずかしいのはどっち?」「フリフリエプロン」…ガンパレをやったことがある人にとっては、わかりすぎる程よく分かる直球ネタですが、緩急のついた微妙な変化球(ちょっぴりブラック)のオチがつくので、存分に笑うことが出来ます。 ゲームの中のなにげないやり取りへの、ちょっとした疑問、そして妄想。それをそのまま4コマで切り取ってみると、表題のような「ガンパレらしい」展開が自然と出来上がります。奇抜さではなく、当たり前を当たり前にやってのける事が、本当は一番難しいことなのです。 ガンパレ本、躍進の理由 ガンパレの人気はネットを中心に広まりました。発売当初はまったくの無名ゲームでしたが、熱烈なファンによる布教活動によって口コミで支持を集め、ついには日本ゲーム大賞優秀作品賞を獲得してしまいました。では、なぜこれほどまでに、ガンパレは受けているのでしょうか? 同人誌の観点からすると、ガンパレはネタの宝庫です。個性的過ぎるキャラ達と、ツッコミどころ満載のゲームシステム。今時のゲームには珍しく、プレーヤーに大きな自由が保証されたシステムにより主体的に世界を楽しめます。ゲームの懐の深さは、様々な形態の同人誌を生み出す可能性とも言えます。本作のような上質のパロディが存在することで、ゲームは何倍も楽しくなる。ゲームと同人誌の好循環を垣間見た気がします。
※画像使用許諾:2001/09/25
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