Weekly Web Magazine
週刊GM研 Vol.94
2003/05/24


【News Headline】
  • SARSショック!
  • 【mini Review】
  • CD  : 
  • True Love Story Summer Days, and yet...
    プレキャラクターシリーズ Vol.3(篠坂唯子)
  • 雑誌 : 
  • ドリマガ 6月6日号(vol.382)
  • 雑誌 : 
  • 週刊ファミ通 6月6日号(vol.755)
    【COLUMN】
  • 週刊GM研、ラストまであと6回

  • ■News Headline

     【SARSショック!】 

      新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)に感染した台湾人医師が来日し、関西各地を観光して回っていたという問題で、厚生労働省の危機意識の低さが改めて問われる事になった。この台湾人医師は台湾でSARS患者の治療にあたっていた病院に勤務しており(SARS患者の治療には関わってはいなかった)、帰国後、医師がSARSと思わしき症状をみせたため、医師の同僚が関西空港の検疫所に通報したものの、厚生労働省がその情報を把握するまで16時間もかかってしまった。この問題では、医師が学生と偽ってツアーに参加していたなど、医師としてのモラルに欠ける行動についても問題が指摘されているし、一般患者とSRAS患者を同じ病室に入れて治療していた台湾のすざんな医療現場の問題や、自治体に十分な情報が与えられなかった事により、過剰な二次感染防止対策パニックを引き起こしてしまった。

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     「たかじん1MAN」の中でたかじんさんも言っていましたが、5泊6日であんなバスツアーをやったら、誰でも具合悪くなるっちゅーねん!吉本の若手芸人でもあんな無茶なスケジュールで営業はしないよ。でも、バス移動がメインだった事が幸いし、医師自身が体調が悪いのを自覚していて、車内ではマスクをしていたり宿泊時も外出を控えていたため、移動範囲が広範囲であった割に接触者が少なくてすんだようだ。ただし、接触者としてリストアップできたのは2500人程度でしかなく、USJや地下鉄などの不特定多数が往来する場の全員を検査できたわけでもないのに、潜伏期間の10日間を過ぎたからといって安易に「安全宣言」を出してしまってよいのだろうか?

     沖縄観光に来る台湾人は、船内ではマスクをしているのに、日本に上陸するとマスクを外してしまうらしい。彼らは「日本は安全」と思い込んでいるようだが、その安全を脅かしているのは自分たちだという意識が少しでもあるならば、船内と同じように陸上でもマスクを着用するべきだろう!検疫体制の整備もしないで、経済への悪影響の数字を出すことしかできないお役人どもの体たらくでは、いざ感染者が出てしまった時に適確な行動ができるわけもなく…SARS上陸の可否は、すでに神頼みするしかないのか?


    ■mini Review

     【True Love Story Summer Days, and yet...
      プレキャラクターシリーズ Vol.3(篠坂唯子)】  
     7月24日に発売予定のTLSシリーズ最新作「True Love Story Summer Days, and yet...」にさきがけて、登場人物のプレキャラクターシングルCDの第3弾「篠坂唯子」を入手して聴いてみたのですが… マニア達が集うアニメイト日本橋でさえ、新譜入荷数がシリーズを重ねるごとに目に見えて激減していて、今では今週発売の新譜の平積みコーナーにさえ置いてもらえないんですけど、本当に大丈夫なんでしょうか、このゲーム…

     「サマデ」唯一のメガネっ娘だけど、前評判では可もなく不可もなくのノーマークキャラと化している「篠坂唯子」ですが、私の印象はこのCDを聴いても変わりませんでした。サイトロン/KSS系ゲームに出倒している松来未祐さんの声に、なんだかものすごく違和感があるんですよ。キャラのイメージ合っていないわけじゃないのに、CD-EXTRAに収録されている、実際のゲーム映像の中でTLSのBGMに乗せて喋らせてみると、ものすごく聞き取りにくいんですよ。声がBGMで流されてしまうような印象を受けてしまう。ボイスの収録レベルや再生技術に問題があるのかな?それとも、岩垂音楽と致命的な相性問題でもあるのか?

     【ドリマガ 5月23日号(vol.381)】ソフトバンクパブリッシング 
     セガの二股合併劇の「白紙撤回」について、ソフトバンクゲームズで行っていた緊急ネットアンケートでは、わずか1時間で2000通を越える意見が寄せられました。長年セガを見守ってきた生粋のセガマニアたちの多くは、この茶番劇に対して激しい憤慨の意見を寄せています。そして、ドリマガ編集部も「CSKグループ内部の思惑と株価と決算に踊らされた茶番劇」とバッサリ斬り捨てています。結局この問題は、セガバンダイ事件以来変わることのなかったセガの経営体制が生んだものであった。Mr.セガといわれるセガ叩き上げの佐藤社長と、セガ再生のために故:大川会長が口説き落として招聘した香山COOとの対立関係、そして、親会社のCSKの思惑…最高意思決定がこんなにばらばらな状態でまともな経営ができると考える方がどうかしている。この騒動の末、佐藤社長は代表権のない会長職へと事実上失脚し、新社長には開発分社ヒットメーカーの小口氏を抜擢して、クリエータ主導の経営にメスを入れようとしていたサミー、そしてそれを影で糸を引いていたCSK本社に対しても意地を見せ付けた格好になったわけであり…しかし、自主再建を宣言したものの、これまでライバル視してきたEA(エレクトロニック・アーツ)社との関係改善を公式に認めるなどしており、これはCSKグループの離脱を含めた、さらなるお家騒動の序章にすぎないのかもしれません。

     何度読んでも嫌になるインチャネの多部田インタビューですが、周囲の予想通り、昨年PCギャルゲーで一番売れた「SNOW」をひっさげてドリマガで、またしても得意げに吼えています。インチャネとメビウスのタッグについては、お互いに発売延期の常習犯同士なので何の不思議もありませんけどね。この御仁は「マイナーメジャー」という言葉を知っているんでしょうか?日本語に訳すと「井の中の蛙大海を知らず」。まさにかの御仁のためにあるような言葉ですな。「インタールード」で仕込んだ「1/8のエラーパッケージ」の件についても「オークションで2万円を超える値がついたりした」と得意満面。こんなアホな事をやる方もやる方ですが、、まんまと乗せられてる信者の方にも問題があるのでは?「SNOW」も信頼する筋のレビュアーの方の感想で聞く限り「KanonにAIRを足して割ったもの」らしいので、そりゃ売れるっちゅーねん!まったく、世の末ですなぁ…

     【週刊ファミ通 5月23日号(vol.753)】 エンターブレイン 
     今週の週刊ファミ通で、「悪代官2」がついに発表されました! 実は私は、以前書いた「悪代官」のレビューが縁で、グローバル・A・エンタテインメントのプロデューサーのアンディ山本氏からオフレコで、随分前から「悪代官2」製作について教えて頂ける立場にあったので、ずっと自らに箝口令をしいてきたのですが、これでようやく晴れて声を大にして公式に応援することができます。2003年7月31日、各々方(おのおのがた)、この痛快時代劇(?)で思う存分笑い転げましょうぞ!

     さて、ファミ通の記事の方ですが、緊急速報で2ページを使って情報が高密度に詰め込まれています。「GT4」「ウイイレ7」「サンライズ」と並んでの緊急速報扱いだから、これはさりげなく大変なことなんですよ。まず、サブタイトルの「妄想伝」を見た時点で大爆笑!元ネタは言わずと知れた「真・三國無双2-猛将伝-」ですが、100万本ゲームのサブタイトルを正々堂々とおちょくってしまうとは!それでこそGAE!すごいよ、山本さん! 

     システム面では、「見えにくい」と不評だった壁の透過処理技術が大幅に改善されています。アイテムの説明コメントの馬鹿さ加減も健在だし、いい味を出しすぎている悪役商会の特濃演技は、新たに柴崎蛾王氏が加わってさらにエスカレート!もちろん、男のロマン帯回しも、SCE倫理規定スレスレのミニゲームも健在です。発売時期も7月31日と予定されているため、7月24日発売予定の「TLS-S(サマデ)の出来に憤慨!」→「翌週購入した悪代官2で憂さ晴らし!」。このコンボのお世話になりそうな人が、私の知る限りでも100人は下らない(私自身も含む)。何とも粋な計らいですな。この芸人魂のこもった作品が前作以上にヒットしてくれる事を、私も陰ながら心より応援させていただきます!

     ゲーム版「最終兵器彼女」のクロスレビューは、点数こそ「6・7・8・7」と及第点だったものの、コメントではシステムを「余分」とか「浮いている、なじんでない」などと完全否定。奥村キスコさん、悪いけど「ゲームから新たなファンを獲得する可能性」は、このゲームに限ってはありえないと思いますよ。ついでに、「プリンセスホリデー」にみる、ドリマガとファミ通の扱い方の相違はちょっと面白いかも。

     「ゼノサーガ エピソードII」インタビューは…さすがのゼノファンの私もちょっと気が遠くなりましたよ。「ゲームというフィールドに限定してしまうと、完結まで30年くらいかかるんじゃなかな(笑)」…いや、笑い事じゃないです。それで小説ですか?何のために2年も3年もかけてゲームを作っているんだか、自分でそれを否定しちゃいますか?ゼノのビジュアル路線は私も確かに疑問だったけど、ゲームでそれを表現する事を諦めてしまうのは、なんだかちょっと寂しいですね…


    ■COLUMN

     【週刊GM研、ラストまであと6回】
     あと6回で通巻100号を迎える週刊GM研。2001年4月30日の創刊号から2年と3ヶ月、順調なら今年の7月上旬には節目の100号を迎えることになります。毎週毎週の締め切りは正直言って厳しいものでしたが、私がここまで頑張れたのも、ひとえに読者の皆様のご支援のたまものであると、心より篤く御礼申し上げます。

     さて、ここでひとつ残念なお知らせをしなければなりません。表題にも書いている通り、週刊GM研は100号をもって休刊することになりました。これは一時的な休刊ではなく、発行間隔の調整のための休刊でもなく、新創刊のための休刊でもありません。GM研が今後、WEBマガジンスタイルでコンテンツを製作する予定はまったくありません。

     実は、この休刊は、週刊GM研の都合ではなくて、現在進行中のGM研のサイト全体の完全リニューアルに伴って決定されたものなのです。これは単なるデザインの変更に止まらず、GM研の基本方針そのものが大きく転換することになります。2001年2月の開設以来、月刊GM研などの試行錯誤や同人誌サークルとしての活動開始など、様々な紆余曲折を経て現在に至ったGM研ですが、コンテンツの多様化と蓄積に伴って、記事の検索性が低下してしまったし、私の作業量も限界に達してしまったし、サイトの全体像もぼやけてしまったような気がします。ここでいったんすべてのコンテンツを見直して、事業の再構築をする必要があると判断しました。

     それに、GM研が現在、鋭意開発中のTLS系同人恋愛シミュレーションゲーム「トゥルーラブ・ダイアリー(以下、TLD)」の、夏のコミケでのα版配布に合わせて、GM研サイトでも全面的に広報活動を展開していく必要があります。時期的にも、週刊GM研が100号を迎える7月上旬はピッタリですしね。いわゆるこの「TLD特別体制」はTLDが完成するまで続く事になり、作品を吟味消化する時間も取れなくなるため、レビューのペースはかなり落ちることになると思いますが、何卒ご容赦下さいませ。

     しかし、更新されないWEBサイトには何の魅力もなくなてしまうので、何らかの代替案が必要になります。できれば毎日更新できて、作業量が少なくて済むものが望ましい…そこで思いついたのが、「週刊GM研をWEBマガジン形式ではなく、コーナーごとに分割してWEBコンテンツの一部として組み込み、コーナーごとに更新曜日を決める」というものです。これは事実上の「GM研の日刊化」とも言えるものであり、理論上では、更新頻度の維持と作業量の低減とTLD製作時間を確保を同時に実現できるはずです。

     現在の活動を維持しながら新ページのデザインと移行作業を進めるのは大変ですが、初心に帰ってまったく新しいサイトを立ち上げるような新鮮な気持ちで楽しみながら、より皆様に喜んでいただけるようなサイトを目指して製作を進めたいと思います。

     それでは、残り僅かになった週刊GM研ですが、よろしくお願いいたします。


    文責:GM研編集部編集長 gonta

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