■緊急所長声明
2号連続して休刊していた週刊GM研ですが、このたび無事に夏コミ用原稿の入稿が終わりましたので、今週から平常通りの週刊発行ペースに戻ります。しかし、休刊中も日記は毎日書いていましたし、ちょっと無理すれば週刊発行を維持することも可能でした。しかし私は敢えて休刊を選びました。これはむしろケジメの問題です。時間をかければ良い文章が書けるというものでもありませんが、私にも物書きの端くれとしてのプライドがあります。今後も多忙期には予告休刊を行うことがあると思いますが、どうかご理解ください。
また、今週から「Cross Review Review」のコーナーでの編集者コメントの要約引用と点数の引用を中止しました。「エンターブレインの著作権に対する見解への対応」という意味もありますが、「ファミ通読者以外には編集者のセンスや基準は理解できない」という意味の方が強いです。だが、私は敢えて苦言を呈したい。著作権は守られるべきものですが、守るだけでは意味がありません。独占などもっての他です。使用目的に適した料金設定と許諾制度の簡素化を行い、広く一般に解放し積極的に資産として活用すべきだと思います。独占する利益よりも共有する利益の方が大きくなる、それが来るべき次世代知識価値社会のあるべき姿なのですから。
■News Headline
【メタルギアソリッド2北米先行発売決定】 |
KCEJの小島秀夫監督の最新作「メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」がPS2で11月末に北米で先行販売されることが明らかになった。日本版の発売日は12月下旬になる予定。
スパイものの人気が高い欧米では、小島監督は熱狂的な支持を集めており、「2」も開発当初から日米同時発売が計画されていた。しかし、年末商戦の時期が日米で異なるために、異例の北米先行発売が決定されたのである。 日本での年末商戦はクリスマス〜正月休みを指すが、アメリカでは11月第4木曜日(今年は22日)の感謝祭〜クリスマスまでを指すのである。(お年玉という慣習は存在しない)。
ゲームエンタテイメントの最前線であるはずの日本人なのに、メリケン人に遅れを取るのは、癪に触るが…高騰する開発費をペイするためには世界市場でヒットを飛ばすしかないのだから仕方がないだろう。ある意味、それだけゲームがメジャーエンタテイメントとして認められたということでもあるのだから。
■Market Research
【PS2HDDは買いか?待ちか?】 |
7月19日に発売されるPS2用HDD。容量は40GB。内蔵型が18000円、外付型が19000円。一般小売店での市販は行われず、販売はすべてplaystation.comでのみ受け付けている。この強引なソニー戦略は、またしても小売店の反感を買いそうである。
予約は順調に伸びており、初回分1万台はすでに予約完売。現在の予約分は2週間待ちという状態である。外付型はPS2縦置きスタンドを買い直す必要があるので、購入の際には忘れずにセットで購入しましょう。 ただし、気をつけておきたいのが、このHDDは「実験」という意味合いが強いものだということ。LANポートがついているのにネット接続ソフトがついていなかったり、先日発表されたJava技術搭載も見送られている。今後仕様変更されたHDDが発売されるのは明白である。HDD技術は長足の進化を遂げているので、さらに安く大容量になったモデルが発売される可能性もある。
現行ゲームのHDD対応はデータキャッシュが関の山なので、焦って今HDDを買う必要はないだろう。HDDとネット接続が必須環境となるFF11の発売(2002年春)まで待つのが妥当な選択と言えるでしょう。
■Cross Review Review
【ファイナルファンタジーX】 |
発売日 | 7月19日 | PS2初のファイナルファンタジーシリーズ最新作。今回はグラフィック面で圧倒的な進化を遂げ、さらにシリーズ初のキャラクターボイスを採用。さらに、FFの代名詞でもあったATBを廃止するなど、非常に挑戦的な作品である。5.1チャンネルサウンドにも対応。HDDにも対応しデータキャッシュによる読み込み高速化が可能。 最低でも200万本を達成しなければならないが、大作主義離れしつつあるユーザーのマインドを動かすことができるかが焦点になりそう。 次回作からはオンラインゲームになってしまうので、FFXはシナリオ型FF最後の作品となる。ひとつの時代の終わりにふさわしい至高の逸品になれるかどうかは、ぜひご自分で確かめて下さい。 | |
開発/販売 | スクウェア | ||
機種 | PS2 | ||
ジャンル | RPG | ||
定価 | 8800円 | ||
製作者 | 坂口博信 北瀬佳範 野村哲也 |
【風来のシレンGB2】 |
発売日 | 7月19日 | 「風来のシレン」シリーズ最新作。GBながらシリーズ史上最高点を獲得! 今回の目玉新システムは、通信機能を使った「風来救助隊」。「SOSのじゅもん」を受け取った他の冒険者に助けられると「ふっかつのじゅもん」によって生き返ることができる。そして「お礼のじゅもん」を送ると救助した冒険者はごほうびと称号を獲得!
さすがは工夫の天才:中村光一!通信の新しい可能性を見せ付けてくれました!メール感覚でパスワードをやりとり。オンラインでなくても面白いものは作ることができる。これぞMADE IN JAPANの真骨頂! | |
開発/販売 | チュンソフト | ||
機種 | GB | ||
ジャンル | RPG | ||
定価 | 4500円 | ||
製作者 | 中村光一 |
【マリオカートアドバンス】 |
発売日 | 7月21日 | マリオカートの最新作ゲームボーイアドアンス版。GBAの性能をいかんなく発揮。通信ケーブルを使った4人対戦も熱い!お手軽&快適という、GBA路線の象徴的な1本。
全てにおいて高水準だが、発明的新要素がないのも事実であり、少々ものたりないかも。安心確実な1本としてロングセラーになるのは確実。GBA初の100万本タイトルなるのも時間の問題か? | |
開発/販売 | 任天堂 | ||
機種 | GBA | ||
ジャンル | レース | ||
定価 | 4800円 |
■Pick up this week
【サクラ大戦4がDCで出る理由】 |
先日電撃的に発表された「サクラ大戦4」のDCでの発売宣言は、前代未聞のものであった。なぜ製造が終わって1年になるハードで看板タイトルを発売するのか?本当に1年で作って2002年春に発売することが出来るのか?これはまた広井王子の大法螺なのか? その真相が、ドリマガ7月27日号の広井王子インタビューにて明らかになった。
商売上のことを考えれば、サクラ4をPS2で発売した方が絶対に本数は出るだろう。しかし、それでは駄目なのだ。サクラ大戦を100万本タイトルに育てるためには、PS2ユーザーへの啓蒙活動から始められなければならない。そのためには莫大な費用と時間が必要となる。マニア色を払拭し、サクラ1〜3をリメイク。新作を作っている暇すらないのだ。新作を作れるのはハード研究期間の今しかない。時間も予算もない中で、この決断は下されたのです。
DCで蓄積した技術を用いて1年という短期間でサクラ4を完成させる…それはセガ特有のクリエータ根性の最後の抵抗なのかもしれない。セガ最後のハードの花道を飾るためなら、1年間の不眠不休も辞さない覚悟。最高のクオリティを求めるがゆえに、至高ではあるが孤高の作品となってしまったサクラ大戦…2002年春、ひとつの伝説が終わる…(シリーズ自体は続きますけどね)
文責:GM研編集部編集長 gonta