プロ野球が開幕して早2週間。ようやく対戦カードが一回りしたことだし、遅ればせながらペナントレースの順位予測をやってみようと思います。いつも開幕前にテレビ各局の野球解説者が順位予想をしていますが、あれは期待度や私情が多分に混入されているので当てになりません。やはり、開幕してみて実際に不安材料を再検討してみて客観的立場から分析をしないと、まともな予測というものはできないと思います(ゆえに、「予想」ではなく「予測」という言葉を使いたいと思います)
セリーグ | | パリーグ |
1位 | 巨人 | | 1位 | 近鉄 |
2位 | 阪神 | | 2位 | ダイエー |
3位 | 中日 | | 3位 | 西武 |
4位 | ヤクルト | | 4位 | 日本ハム |
5位 | 横浜 | | 5位 | ロッテ |
6位 | 広島 | | 6位 | オリックス |
セリーグ編
今年のセリーグは誰が予想しても同じような結果しか出ないので、つまらない思いをみんなしていると思いますが、私の予測も似たようなものです。今年のセリーグは「1最強2強3中」という構図であり、各チームの戦力補強や若手育成によって総じて非常にレベルが高い争いになっています。そんな中でも頭ひとつ抜け出しているのは巨人。松井が抜けた穴は大きいが、そのくらいのハンデがあってもまだまだ余裕の巨大戦力はびくともしません。ペタジーニの守備への不安は大きいし、清原が抱える爆弾もいつ再発するか分かった物ではない。不安要素も多いが、原政権下で陽の目を見た生え抜きの若手の登用が、昨年と同程度の成果をもってそのマイナスを修正できるだろう。飼い殺しにされてるだけで、彼らの才能とセンスは超一級品なんですから…
熾烈な2位争いを繰り広げそうなのが中日と阪神。中日は現在1位ですが、このまま故障者が出なければかなりイイ線行くと思います。ミラーをレッドソックスに横取りされた時はどうなることかと思ったが、その代役で獲った新外国人のアレックスが大当たりだし、史上初のポスティング入札ゼロでメジャー移籍が失敗して近鉄から干された大塚も大当たり。野口の復活、川上の気迫、朝倉の若さ、岩瀬の安定感、健在ギャラード、貫禄さえ出てきた福留…貧打に泣かされ続けてきた中日だが、今年の投打の充実振りには目を見張るものがある。川崎やラミレスなどの誤算組まで復活したら、手がつけられないかも?
一方、我らが(?)阪神は、大方の虎党が戦前から「今年こそ優勝間違いなし!」と息巻いていましたが、私はまったく逆の考え方をしていました。確かに野手陣の補強は万全で選手層もまんべんなく厚くなり、故障者が出ても1年戦える体制が整った。しかも、和製大砲:浜中の目覚しい成長、万年ウィークポイントと言われていた遊撃手:藤本の急成長、スピードスター:赤星の打撃開眼、打順が下がって一発狙いに専念できるアリアス…昨年に比べて、打線の破壊力は確実にレベルアップしています。しかし、問題なのは投手陣である。昨年の快進撃を支えていたのは間違いなく投手陣だった。だが、投手が2年続けてピークを維持することが如何に難しいことか、投手を中心に星勘定しがちなファンは見誤ってしまいがちです。井川・ムーア・藪、この3本柱が昨年の成績を上回るのは難しいだろう。伊良部・下柳などの新戦力の活躍と、藤田太陽・藤川球児らの成長なしには、磐石と言われた先発陣の維持さえ覚束ない。それに、もっと不安なのが中継ぎと抑えに信頼感がないことだ。すでに何試合か、先発投手を引っ張りすぎて終盤に打ち込まれたり、吉野にロングリリーフをさせざるを得なかったり、そういう采配の迷いで接戦を取りこぼしている。勝ちゲームを勝ちきれないようなチームが優勝できるほど、プロ野球の世界は甘くない!
ヤクルトはダークホースになるほど強さを発揮する不思議なチームですが、今年はチームの要たる古田がリード面でも精彩を欠いている。広島の若手主体のチーム作りの完成にはまだ時間が必要だし、横浜の再建への道はまだまだ始まったばかり…そんな中、ルーキーの村田、和製大砲の古木など横浜の若手の成長が思いのほか目覚しい。この3チームの差はわずかだが、経験でヤクルト、若さの勢いで横浜という順で予測してみました。まぁこの辺は優勝とか勝ち負けにこだわらずに、若手の伸びとチームの未来を温かく見守るくらいの大きな気持ちでいましょう(阪神のように、最下位が定位置になってしまうと負け犬根性がついてしまい、その払拭と再建は容易ではないのですが…)。
パリーグ編
今年のパリーグの予測は困難を極めました。何しろ「3弱3論外」としか形容しようがない状態であり、どこも自信を持って優勝すると断言できないんですよ。ダイエーは主砲:小久保のリタイアが痛すぎる。新垣・和田・寺原を擁する若い投手陣は魅力的だが、新人の彼らに安定した勝ち星を望むのは酷という物だ。圧倒的力で昨年のペナントを制覇した西武には、今年はその面影すら見えません。松坂の故障は慢性化しているし、フィールド監督というべき伊東も故障、松井の頭はすでにメジャーで一杯だし、すっかりやる気を無くしてしまったカブレラ…下手をすればBクラス転落もありえます。一応、近鉄を1位に予測しましたが、これは単なる消去法の結果なので、特にコメントもありません(これといって不安材料がない、という良い意味で)。
万年Bクラスの3チームもドングリの背比べですね。吉井とマック鈴木のメジャー帰り組が泣かず飛ばずのオリックスの弱さが際立っていますが、ローズに逃げられたロッテも苦しい。そんな中では日本ハムのヒルマン監督という未知数な部分に期待するしかない、というのが実情です。総じて、今年のパリーグは見所が少なすぎます。スポーツニュースで結果を見ることさえ億劫になりそうです。若手のスターを育てても、セリーグかメジャーに流出してしまうし…この予測が外れてもいいので、ダイエーの若手投手には新聞の1面を飾るくらいの大活躍をして欲しいんですけどねぇ…
まとめ
まぁ、この予測が当たるかどうかは別として、面白い野球をして欲しいですね。それはテレビ解説者が言うような混戦とか優勝争いをしろ、という意味ではありません。締まった試合をテンポ良く進めて、勝ち負けに拘りすぎずに選手の個性を引き出すような育成方針を示して欲しい。そういう意味では、アンチジャイアンツの私も原監督の生え抜き若手登用策は認めているし、今年の横浜のように大胆な世代交代が近い将来、大きく花開くことを期待しています。テレビ局も視聴率の凋落を嘆くだけでなく、野球と関係ないゲストを中継に呼んで小手先の対策を弄するのではなく、中継の質そのものをもう一度考え直す時期にさしかかっているのではないでしょうか?
|