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 【大邱地下鉄放火事件】 |
2月18日午前、韓国第3の大都市:大邱(テグ)市の地下鉄:中央(チュンアンロ)駅で起きた放火事件は、死者120名を超える世界の地下鉄事故史上でも最大級の惨事となった。放火した金大漢容疑者(57)は、かねてから自身の障害(右半身マヒ)を苦にしてこれまで何度も自殺を図っており、「1人で死ぬのは悔しいので大勢の人と一緒に死にたい」と考え、当日の朝ペットボトル2本分のガソリンを購入し、中央駅に到着するとライターでガソリンに火をつけた。駅構内の監視カメラに残された映像では、列車のドアが開きこの駅で降りる乗客が出終わって、列車に乗り込もうとした女性客が後ずさりを始めた。次の瞬間、火達磨になった男(金大漢容疑者)が列車から飛び出してきて、数秒後には視界はガスで閉ざされた…
しかし、本当の惨劇はそこから始まった。閉まらない防火扉、排煙装置の能力不足、非常灯のない暗闇…混乱の中、数百件の悲壮な緊急通報が災害司令室に寄せられていたが、災害司令室の対応はあまりにも杜撰だった。事故の発生を知りながら反対車線の列車に中央駅への進入を許可してしまった。そして、反対車線の運転手も、ガスの発生を目視で確認していたのに指示通り中央駅に入ってしまった。電車のドアは一旦は開かれたが、煙を検知したために数秒後には再び自動的に閉まってしまった。何の説明も無く、何が起きたのか分からないまま閉じ込められた乗客たち。そして、20分後、携帯電話で助けを求め続けた乗客の声は途切れた… 今回の事故で決定的な過失になってしまったのが、対向車線の運転手が退避する際にマスターキーを抜いてしまったことである。運転手が自分の判断で非常ボタンですべてのドアを開けたまでは良かったが、マスターキーを抜いてしまったことで、乗客は完全に閉じ込められてしまった。マスターキーを抜くと電車のドアはすべて閉じられる。これは運転手なら誰でも知っていることである。いかにパニック状態にあったとはいえ、乗客の避難の完了を確認しないまま逃げ出してしまった事は重大な過失である。しかも、マスターキーの行方を隠滅しようとしたとあっては、業務上過失致死の適用を免れることはできないだろう。 --------------------------------------------------------------- 先週も自殺事件を取り上げましたが、その重大さはこの事件の比ではありません。ひとりの人間の身勝手な道連れ自殺という動機によって、無差別に120人以上もの人命を奪ってしまったこと、そしてその何倍にも上る家族などの関係者の人生を破壊してしまった。この事件で救いようが無いのが、一番死にたがっていた犯人が生き残ってしまったことです。韓国は日本みたいな加害者人権天国ではないので、どうあがいでも重刑(極刑=死刑のこと)は免れないでしょう(一応法治国家なので公開処刑に及んだりはしないと思いますが…)。そして、被害を広げる過失を犯した関係者も連座してそれ相応の法的処罰を受ける事になるだろう。 死のうとしている人間に何を言っても無駄だが、今回のようにが自殺志願者が、生きようとしている一般人を巻き添えにすることは断じて許されない行為である。「安楽死法」があるように、公的に自殺を容認しその手段と場所を提供する「自殺法」というものが必要な時代なのかもしれないなぁ… |
 【魁!クロマティ高校(6)】 野中英次/週刊少年マガジン |
GM研レビューのトップを独走し、講談社漫画賞も受賞し、ゲーム化までさてしまい、すっかりメジャーな漫画になってしまった「クロマティ高校」ですが、この「6巻」のネタは少々停滞気味です。「プータン」ネタといい「高橋さん」ネタといい「アラちゃん」ネタといい、前巻までの有無を言わせない不条理の切れ味が感じられず、作者本人がこの作品に対して飽きてきているのを実感してしまいました。メカ沢爆弾解体ネタは面白かったけど、現在の連載では再びゴリラネタのチカラ押しが増えてきているので、次巻の内容が今から心配です。でも、こんな風にどうにも安定しないあたりも含めて、私はこの作品が大好きなんですけどね。まぁ、こんないい加減で投げやりな発想(褒め言葉)をピークのまま維持し続けていたら、本当に危ない人でしかないですからね。ちなみに、クロ高に爆弾を仕掛けた謎の巨大な組織、という前フリについては深く考えないようにしましょう。もちろん、先のことなんて考えていませんし、案の定、何事も無かったように「ゴリラ編」へと突入してしまったし… これだから、クロ高からは目が離せないぜ! |
 【Newtype 3月号】 角川書店 |
私は普段アニメ雑誌を全く買いません。そもそも、テレビ東京系のアニメも関東ローカルの深夜アニメも受信できないので、アニメの情報だけ仕入れてもただ虚しいだけですからね。そんな私が何を思ったのか衝動買いしてしまった、Newtype3月号。その理由は、新世紀エヴァンゲリオンのリニューアル版の第1話「使徒、襲来」を丸ごと収録したDVDが付録に付いていたからです。実際に見るまでは「いつまでEVAで引っ張るつもりやねん、GAINAX!」と呆れていたのだが…(鑑賞中)前言撤回!DVD-BOXの予約決定! この付録のDVDには、第1話のAパートを左右2分割にしていて、リニューアル版とオリジナル版の画質の違いが一目で分かるようになっています。原色がとてもクッキリ出るようになって画質は飛躍的に鮮明になっています。でも、肌色などの柔らかい色彩が安定していないし、オリジナルの薄めの色彩の方が好きな人もいるかもしれません(私もその一人ですけど)。5.1chサウンドについては、光接続の擬似5.1chスピーカで試してみました。確かに、今まで聴こえなかった音が聴こえるようになっていますが、それが5.1chの効果なのか、再編集の効果なのかは微妙なところですね。ただし、記事中にあった「追加アフレコには原則としてオリジナルのCVは参加していない」というのが気になります…
この付録DVDには、2003年冬公開予定の新海誠監督の新作「雲のむこう、約束の場所」の予告編も収録されています。相変わらず予告編の作り方が非常にうまいですねぇ…わずか数分の予告編だけで胸にジーンとくるものがありました(声の演技が平板で聞き取りにくいのはいつもの仕様なので気にしないように)。今回は作画にアニメーのプロが参加しているので、「ほしのこえ」のように「たった一人が作ったアニメーション」という謳い文句はありません。新海誠というブランドを世間が放って置かないし、加熱する一方の過剰な期待に応えるためには避けられない事です。それにしても、こんなに壮大な物語を何分で表現するつもりなんでしょう?どうか、映像美と設定をばら撒くだけで終わらせず、ちゃんと1本のアニメの上でテーマを描き切っていただきたいものです。 |
 【  【トゥルーラブストーリー サマーデイズ アンド イエット...】 |
今週はファミ通がどうのこうの、なんて無駄な行数を使う暇もありません。トゥルラー待望の新TLS「トゥルーラブストーリー サマーデイズ アンド イエット...(以下、TLS-S)」の情報が遂に公開されたのですから!わずか2ページの情報ですが、さっそく徹底的に分析して行きましょう。
●キャラクターデザイナーが変更に
さて、デザインが一新され(てしまった)「TLS-S」ですが…思ったよりも悪くないですね。新しい絵師が誰なのかまだ裏情報でも流れてませんが、TLSらしい色使い(現実的な髪の色とか、水彩調の背景画とか)は守られているし、キャラクターデザインもお約束ながら無難にまとまっています(詳しくは、下記のキャラ別ファーストインプレッションにて)。妙に肉感的な体型と奇抜な制服のデザインは、かなり好みが分かれるポイントだと思いますが… ただ苦言を呈するとすれば、首まわりが隠れる制服のデザインの影響もあって、全体のバランスが狂って見えてしまうことと、ポーズによってデッサンが安定していないのが非常に気になります。それに、デザイン一新と謳っている割りに、あまり変わり映えもしない、というのもいかがなものでしょう? ●ゲーム期間が「ひと夏の高校2年生」に
●新システム「今日の目標」について
●下校会話モードについて
もし、この文章が何らかの形で関係者の耳に入るとすれば、ぜひ検討していただきたい提案があります。それは、「好感度に応じて下校会話での視点と立ち位置を変化させる」、というものです。最初はよそよそしくて視線もあんまり合わないし、並んで歩くのが精一杯。でも、仲が良くなると目がだんだん合うようになって、徐々にその距離は物理的にも心の上でも縮んで行く。このシステムを使えば、今まで単に記号的に表現されていた「顔を赤らめる」などの、本来よっぽど近づかないと分からないような、表情のわずかな変化を自然に表現できます。あ、これこそポリゴンキャラの「ときメモ3」でやるべきシステムだったのかもしれないなぁ…(現実的には、今から仕様を変えられないし、一枚絵の擬似アニメーションで歩行を表現しているTLSには無理すぎる話ですけど) ●メディア展開について
それと、ゲームのテーマが「ひと夏の恋」である上に、関連商品を先行リリースする以上、「2003年7月」という発売日は何があっても守らなくてはなりません。最低でも、夏のコミケ前までには発売して、そして、夏のコミケの企業ブースでTLSグッズを投入して、一気に固定ファンの囲い込みを謀る(誤字ではない)、そのくらいの逞しい商魂を見せていただきたいものです(他社製のギャルゲーの後乗りで培った手腕とやらのお手並み拝見)。 ●楠瀬緋菜(くすのせひな) CV:桑谷夏子
●向井弥子(むかいやこ) CV:折笠冨美子
●桐谷里未(きりやさとみ) CV:笹島かほる
●篠坂唯子(しのさかゆいこ) CV:松来未祐
●有森瞳美(ありもりひとみ) CV:かかずゆみ
●神谷菜由(かみやなゆ) CV:松岡由貴
●総評
デザインはかなり安直だと思いますが、設定の細かいところで盲点を突いているし、奇跡と奇抜な設定が氾濫する現代ギャルゲーの中で、敢えてリアルの王道を往く姿勢を示したことは、素直に評価したいと思います。「TLS4」ではなく、タイトルのナンバリングを捨てたのも英断だと評価したい(タイトルのセンスの悪さは否めないけど)。 しかし、これはまだ、料理屋の店頭のサンプルを見て「おししそう」と言っている段階に過ぎません。長年通い慣れた定食屋が、代替わりしてリニューアルオープン。お店の雰囲気は入ってみないと分からないし、厨房ではどんな人が腕を振るっているのか分からないし、味は食べてみるまで分かりません。先代の味を守って欲しいとも思うし、それ以上のものを期待したいという気持ちもある。義理と人情と過去で美化された想い出…そんな高いハードルを超えること、それが「TLS-S」には望まれているのです。その期待が裏切られたとき、失望もかつてないものになる。こうして「夢を見させる仕様」を出してしまった以上、その期待に見合う作品に仕上げていただきたいものである。 ●TLDについて
不甲斐ない本家への怒りや、崖っぷちの危機感だけで作り続けられるほど、ゲーム作りというものは甘くありません。愛の無い憎悪はいつか燃え尽きてしまいますからね。人間がもっとも力を発揮できるのは「好き」という目標に向かって行動している時であり、そのエネルギーは長く強く燃え続けます。できれば、TLDはレジスタンスとしてではなく、TLS精神が生んだ可能性として好意的に出せる環境が整ってくれることを期待したいですね。 |
 【休載】 |
※連載:ギャルゲーは倒れたままなのか?(第2回)「Leaf、Key、PCギャルゲーブランドの勃興」は、TLS-S分析に全力投球してしまい気力が尽きてしまったため、臨時休載させていただきます。 |
文責:GM研編集部編集長 gonta