日本人のオリンピック好きは世界的にも有名ですが、今回のアテネオリンピックでの盛り上がりは過剰すぎるかもしれません。日本選手団の大活躍によって、東京オリンピックを上回るペースのメダルラッシュが背景にあるとはいえ、競技の放送時間帯は超深夜or超早朝と、完全にずれているんですけどねぇ…その分、録画需要が高まって、DVD・HDDレコーダーがバカ売れしてデジタル家電景気の後押しをしているという… 先の参議院選挙のゴン中山出演のCMではないけど、「日本が熱くなれるのはオリンピックだけですか?!」と言いたくなってしまいます。
私の場合、今年の夏はコミケに参加できないほど仕事が忙しかったし、コミケの初日とオリンピックの開会式が同じだったこともあり、なんだか知らない間に競技が進行して結果だけをニュースで聞いていたので、特に何も感想はありません。もっとも、生中継でアナウンサーの絶叫や応援ばかりの解説を何時間も聞かされるよりは、いいとこ取りで観た方が素直に楽しめるのかも知れませんけど。
しかし、あまりにも熱くなりすぎて「金メダル確実!」と、マスコミが言い続けてしまったため、観る側もその気になってしまい、サッカーや野球での敗退に対して「がっかりだ」というような雰囲気になってしまったのが、とても残念だと思います。中国とか南米とかだと、ストレートに戦犯探しに走ったりするから分かりやすいのですが、日本の場合は「健闘空しく…」とやんわりとお茶を濁してしまうので、いつも問題の本質は先送りになってしまいます。さんざん世論を煽っていたマスコミが、手の平を返したように責任追及で騒ぎ立てるのもおかしな話であり…
野球の日本代表の敗因については、不慣れな国際ルールなどのハンデキャップも確かにあっただろうけど、それ以上に、日本のマスコミがあまりにも自分のチームを正確分析しすぎた事にも原因があると思います。相手チームは、日本のスポーツニュースを見れば先発ローテーションはほとんど分かってしまうし、相手さえ分かれば日本のプロ野球のデータ映像資料はいくらでも手に入りますからね。その反面、相手チームのデータは皆無に等しい。情報戦の時点で完全に負けていたんですよ。
それに、「金メダルを獲るしかない」とプレッシャーをかけすぎてしまったことで、ピークへのもって行き方を誤ってしまった感も否めない。予選で全力を出しすぎて本選でへたってしまうのは、日本人の悪い癖ですから。個人競技では最近の日本人選手の意識が変わってきたからプレッシャーにも動じないけど、団体競技ではどうしても連帯感ゆえの油断があるし、責任感も増幅させてしまいます。良くも悪くも日本人の気質は変わってしまったようですね。もっとも、火付盗賊のようなマスコミのやり口に踊らされている観る方はちっとも変わってはいないようですが…嘆かわしいことです。
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