さて皆様、今回の夏の祭典はいかがでしたでしょうか?えっ?オリンピックはまだ続いているじゃないか、ですって?いやいや、祭典は祭典でも、オタクの祭典こと夏のコミケのことですよ。今回はたまたま開会式と1日目の日程がぴったり合っていたので、尚更紛らわしいのですが…延べ50万人の参加者が終結するコミケも、開催規模では十分国際的な祭典と言えなくもないと思います。実際に、この日のために海外からやって来る強兵もたくさんいますしね。
しかし、私は今回は仕事のため3日間とも参加できなかったので、いつもとは勝手が違いました。まずは、友人にサークル販売の全権委任をお願いして、販売対応マニュアルを作成して、買出しを頼むリストも作成して、宅配便搬入もやって…やらなくてはならないことはいくらでもあり、開幕前にワクワクするような感覚はまったくなくて、ちゃんと全権販売代行の指示ができたかどうか、買出し依頼リストと作戦に不備はないだろうか…と、不安ばかりが募ってしまいました。しかも、自分が発行している本の現物は、すべて会場搬入にしてあるので、作者本人が確認できるのは、8月17日に荷物を在庫として受け取ってからになります。誤植はないのか?色はちゃんと出ているのか?デザインミスはないのか?…あれこれ考え始めるとなかなか寝付けなくなってしまって…
ようやく実感が得られたのはコミケが終わってからでした。休日の8月17日に会場から発送してもらった在庫と、買出ししてもらった本を受け取った時でした。冊数的には、私がいつも買っている量の4分の1にも満たないはずなのですが、あまりのありがたさに泣きそうになってしまいました。この1冊のコピー本を手に入れるために、どれほどの人波に揉まれたことか…私もつい最近まで最前線で戦っていたので、その光景がありありと想像できます。自分が買う分のついでならまだしも、頼まれ物のためにそこまでしてくれるのだから…申し訳ない気持ちとともに、自分は本当に良い友人に恵まれているんだなぁ…とありがたく思えて…冗談抜きで、どの方向に足を向けて寝ればいいものやら、真剣に考えてしまいました。
今回は、財政難による印刷費捻出問題では、PEPPY ANGELの桜月りんさんに良い印刷所(緑陽社)を紹介していただきましたし、イベント当日は仕事のため作者不在という非常事態でしたが、友人の協力によってなんとか無事に販売を行うことができました。残念ながら今回私は販売の現場に立ち会うことはできませんでしたが、蒸し暑い中スペースまで足を運んでくれた方、稚拙な私の本を手にとって下さった方、ご自身の原稿で忙しい中アンケート企画に参加して下さった同人誌作家の皆様、そして私の我儘に付き合ってくれている友人たち、すべての人々に山よりも高く、海よりも深く感謝させていただきます。
転職後は午前様が当たり前の忙しい日々が続いて製作の時間が激減し、即売会の日が休みになる確約もまったくありません。自力での販売に責任を持てないのなら、サークルとして次回の参加申し込みをするべきではないのでは… 一時は真剣に同人活動の休止も考えていました。しかし、今回の件でいかに多くの人に支えられてこの活動が成り立っているのかを改めて思い知るに至り、その期待に応えることをやめたくない、改めてそう強く心に誓いました。こだわりを捨てる時は死ぬときだ。そう決意して始めた道です。戦場で戦って散れるなら本概というものです。自分の独りよがりではなく、どこかの誰かに見せることを前提して、目に見える批判も無形の応援もすべて残さず受け止めていく。その気持ちがある限り、私は道を見失うことはないでしょう。ゴールはまだまだ見えません。今はただ走り続けるのみです!
それでは、2004年12月に、「GM研通信vol.3(正式名称未定)」をお届けできるよう、通常更新にもより一層の精進を重ねて行きたいと思います。いつかこの激闘の日々を良い想い出として語れる日を迎えるために…
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