まずは、「週刊」と名乗っておきながら、1ヶ月半もの間発行が止まっていたことについて、深くお詫びさせていただきます。発行を一時停止した目的は、夏コミの新刊製作に集中するためだったのですが、原稿の入稿が終わった7月22日から、はや2週間以上が過ぎてしまいました。
本来であれば、すぐにでも更新を再開するべきだったのですが、導入研修が終わったばかりの本業が、残業続きで午前様が当たり前という苛烈な状況になってしまい、不定期の休日間隔と2種類の勤務時間シフトに適応していくのも大変で…それになにより、ネタにするニュースや作品を吟味し・思考を重ねるような時間的・精神的な余裕がまったく無くなってしまったのです。メールをチェックして、日記を書いて、30分ほどゲームをやって、録画したビデオを早送りで観ていたら、知らないうちに眠りこけている、そんな毎日です。
こんな状況で文章を書いて良い物が書けるわけも無く、自分の発言や目利きに自信を持つことが出来ないのであれば、この「週刊GM研」を廃刊にすることも真剣に考えました。しかし、人間の適応能力というものは恐ろしいもので、身体も心も新しい環境に順応してきて、少しずつですが余裕が持てるようになってきました。いざ無くなってしまうと思うと、急に寂しくなるのが人間の情というものです。近鉄とオリックスの合併問題がここまでこじれてしまったのは、そういう不確かな情を一方的に切り捨ててしまったことにあるような…
ちと話が逸れましたが、試しもしないのに勝手に「限界です」と白旗を上げるのは、論客としてのプライドが許しませんし、それに何より、読者の皆さんに失礼なことだと思います。読んでくれる人がいなかれば、どんなに御大層な御託を並べても、ただの独り言に過ぎません。webで発言をするということは、基本的にほとんどリスクがありません。同人誌のように、多額の印刷費用を投じて元を取るべく販売計画を練り、ミスがあっても容易に修正できない一発勝負、というようなリスクはありません。2ちゃんねるのような匿名掲示板で何でも言いたい放題です。
しかし、私は自分のメールアドレスさえも公開しないで発言するような人の話には、耳を貸すつもりはありません。私はいつも真剣に作品にぶつかりすぎるため、時にはとてもキツイ事も言いますが、自分がした発言には責任を取ります。自分が感じたことがすべてだとは思いませんし、間違いがあれば素直に認めますし、譲れない部分があれば相手が誰であろうと刺し違える覚悟で戦います。守るべきものは私の価値観ではなく、作品そのものなのですから。
私は文章のプロでも、ゲームのプロでも、マンガのプロでも、アニメのプロでも、同人誌のプロでもありません。しかし、だからこそ消費者の感覚でモノを観ることができるし、消費者の立場からの発想ができます。そして、モノづくりをできる人を素直に尊敬することができ、作品とキャラクターを愛することができます。他人目には、趣味と呼ぶにはあまりにも過酷で壮絶な生き方に見えるでしょうけど、私は自分を「平凡」だと思います。そして、「平凡」であることを誇りに思います。
自称天才が溢れかえり、安っぽいプライドを守るために敵を排除して、身内だけの小さな成功で優越感に浸る。そんな散漫な活動の積み重ねが、今日のオタクエンタテイメント市場の閉鎖性を招き、得体の知れない先行きへの不安に繋がっているのではないだろうか?学ぶべきモノは技術だけではないはずだ。追いかけるべきモノは流行だけではないはずだ。物言わぬ信者であるより、疎ましく思われても諫言できるファンになろう。変化は99のYESではなく、1のNOから生まれるのですから!
…と、久々に思いっきり文章を書いてみてみると、思いの他ブランクを感じませんでした。これまでも、背伸びはいつもしていたけど、自分を演じたり作ったりはしてきませんでしたから、当然といえば当然です。伊達に10年近くwebで文章を書いてきたわけではありませんしね。レビューにはどこまで行っても完成なんてものはありませんが、だからこそ日々弛まぬ努力を続けていくしかありません。続けていくことが目的ではなく、目的があるから続けていくのだ…この基本理念を忘れることなく、これからも頑張って更新して行きたいと思います。
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