唐突に発表された、近鉄とオリックスの合併合意宣言に…プロ野球界は大きく揺れています。オーナー会議で4分の3以上の賛成があれば承認されるということですが、企業の経営問題に関わることなので他球団のオーナーが強く反対できるものではないし、これまで近鉄の球団名売却やダイエーの外資系企業への身売り問題が浮上した時には猛反対した、「球界の首領」こと巨人の渡辺恒男(ナベツネ)も合併を容認する姿勢を見せており、球団合併は事実上承認されたも同然ということで、着々と準備は進められているようです。
なぜナベツネが今回に限っては反対しなかったのかというと、かねてより氏が唱えてきた「1リーグ制」を実現するまたとない機会であるからだ。パリーグがもし来年5球団になるとすれば、毎日試合がないチームがひとつ出来てしまい、試合消化に大きな問題が出てしまいます。また、合併するにしても、支配下登録選手だけではなく裏方などの球団関係者も、約半数が現場を追われることになるため、受け入れ先をどうするのか、どの選手を残して放出する選手の獲得方法は?などなど、多くの野球協約の変更を含めた根本的な改革を先送りにしたたまま、シーズンに入るわけには行かないのです。
1リーグ制に移行するにしても、まだ問題はあります。対戦カードを組む上では球団数が偶数でることが望ましい。しかし、この野球不況のご時世に、新球団を1つ増やすのは現実的とは言えない。となると、さらにどこかが合併に走るか、それとも消滅するか、いずれかで1球団を減らさなくてはならなくなる。現にナベツネは、迂遠的な表現ではあるけど意訳すると、「1リーグ制にしたけりゃ、パリーグをもう1球団減らせ」と迫っています。すでに、ロッテとダイエーの合併の噂が浮上して、王監督は「ロッテなんかと一緒になっても…」と全面否定し、日本ハムの球団社長は「合併は球界の必然の流れ」と発言するなど、当分の間混迷は収まりそうにありません。
着々と合併と球界再編へと動いているわけですが、しかし、これらの問題は、すべてファンの声を無視した所で決定し議論が進められているのです。球団側は「どちらの球団名を残すのか」などの的外れな議論に終始し、ファンたちの抗議の意味も込めたヤフーBBスタジアオの連日の大入り満員を、球団側は「合併効果」と喜ぶ始末…他球団が1リーグ制に反対する論拠も「巨人戦の回数が減って収入が減る」というものでしかなく…まったく、こんな杜撰な運営をしてたら、行き詰るのも当たり前だ。根っこが最初から腐ってるんだから、日本にはプロスポーツ文化が根付くわけがないですね…
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