2001年4月30日に創刊した「週刊GM研 vol.1」から、2年と2ヶ月と半月あまり…とうとう「vol.100」という大台を達成する事ができました。私自身、この連載がここまで長く続くとは思ってみませんでした。今振り返れば、毎週休日を1日潰して買出してネタを仕込んで、毎週締め切りに追われて原稿を書いていた記憶しかありません。そんな苦労をしながらも、「個人の言いたい放題のストレスマガジン」とも呼ぶべき記事内容にも関わらず、かくも長期に渡って連載を続けてこれたのは、これはひとえに読者の皆様のおかげでございます。この場をお借りして読者の皆様に改めて言い尽くし難い感謝の意を表したいと思います。本当に今までありがとうございました。
創刊当初は、総合レビューマガジンの「月刊GM研」では扱えない、ゲーム関係のネットニュースやゲーム雑誌などの時事ネタを紹介したい、という理由で始まったわけですが、次第にゲームだけの記事だけでは満足できなくなってきました。様々な試行錯誤の後、現行の「ニュース、ミニレビュー、コラム」という現在に至る方針が定まったのはvol.20からでした。その後は常時約60-80人の定期閲覧者に支えられ、記事によっては800ヒットを越えるようなものまであり、GM研の読者獲得に多少なりと貢献する事ができました。また、こうして毎週、物を考えて大量の文章を書く事によって、タイピングや文章力構成の訓練にもなりました。毎週書き続けていくことで、私の思想や批評家としてのポジションを明確にする事が出来たのも大きな収穫でした。
しかし、これだけ言いたい放題やってきたので、敵を作ってしまうことも少なからずありました。私としては感じたままを素直に書いているだけで、喧嘩を売ろうとかそういう意志は全然ないんですよ。本当に嫌いだったら記事にするどころか頭に思い浮かべる事さえしたくないですから。私が批判的な記事を書く時には、必ずそれと同等の「好きな理由」があります。それだけに、すべてを台無しにしてしまう「悪い部分」を弾劾せずにはいられないわけです。
こういう事を書いていると、よく「好き嫌いは個人の嗜好の問題だ」と言われます。ええ、まったくもってその通りだと思いますよ。しかし、誰もが「みんな好きにしたらええがな」と割り切ってしまうと、売れる作品は宣伝力ある一部のブランドのみに限定されて一過性の流行になってしまうし、批判のないイエスマンだけの閉じた世界では作品の質は向上しないし世界も広がらない。大切なのは、誰にとってどのように好きか嫌いかを明確にする事ではないだろうか?
私は基本的には相対論者ですが、相対化の果てにあるものが価値観の平板化と無価値化であることも十分承知しています。物事を相対化してあらゆるケースを想像できることは大切なことですが、時には物事を単純化してただひとつの物を選び取らなくてはならない時もある。つまり、真に相対化すべきは物事個々の事情ではなく、物事を見る自分の価値観なのです。事象をあらゆる角度から分析できる自分を、さらに一歩引いて自分を見ている自分を認識すれば…自分がどんな立ち位置にあるのか、そしてどこに向かって進むべきか、自ずと答えは出ることでしょう。
以前にもお知らせしたとおり、週刊GM研は、このvol.100を最後に休刊いたします。一時的な意味での休刊ではなく、再開の予定はまったくありません。しかし、これはさよならだけど、さよならじゃない。週刊WEBマガジンという形式は無くなりますが、記事のそのものは、7/21にリニューアルされるGM研HP本体の機能(コンテンツ)の一部として受け継がれます。むしろ、週刊GM研の記事が本体のHP自体を乗っ取ってしまった「日刊GM研」と言ったほうが正確かも知れません。どうぞ、お楽しみにお待ちくださいませ。
それでは最後に、本当に今までご愛読ありがとうございました。そして、新しく生まれ変わるGM研をこれからもお引き立ていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
|