シスタープリンセス プレミアム・エディション
DCメディアワークス   2002/3/28発売
 恋愛・ドラマ  恋愛アドベンチャー  38時間 
キャラクターデザイン:天広直人

「シスプリ」とは?

 「シスター・プリンセス」とは、メディアワークスから発行されている萌え系ゲーム雑誌「電撃G'sマガジン」で連載されている読者参加型企画「シスター・プリンセス〜お兄ちゃん大好き〜」から生まれたゲームの略称です。 『ある日突然、あなたに12人の妹ができてしまったら!しかも、12人全員が主人公(兄)を一途に慕ってくれるとしたら!』…という、妹属性ゲーマーの妄想を具現化させてしまった、究極の萌えゲーム、それが「シスター・プリンセス(以下、シスプリ)」なのです。

 3万本限定生産でDreamcastに移殖されたこの「プレミアムエディション」は、PS版の「シスプリ」に追加エピソードの 「ピュアストーリーズ」がセットになったもので、他にはこれといって新規の追加要素があるわけでもないのに、特殊なファン層から根強い支持を集めて、昨今のギャルゲー不況をものともせず完売御礼。そして遂に「シスプリ否定派」の私すら陥落せしめた「シスプリ」の魅力とは?

空前絶後の「萌え」ゲーム

 「シスプリ」は徹底的に「妹萌え」を追求した、純粋な「萌えゲー」です。エロもお色気も皆無だし、システムは平凡だし、シナリオも決して褒められた出来ではないのですが、キャラクターの魅力のみで直球ど真ん中の勝負を挑んできます。元々、原作となった雑誌企画自体が、読者の素敵(?)な想像(妄想)をエスカレートさせたものであり、そこには、ありとあらゆるお約束と萌え要素が、惜しげもなく詰め込まれています。お兄ちゃん、お兄ちゃま、あにぃ、お兄様、おにいたま、兄上様、にいさま、アニキ、兄くん、兄君さま、兄チャマ、兄や…12人の妹から12種類の呼び名で、無条件に寄せられる純粋無垢な親愛の情の嵐x12!全国約10万人の「お兄ちゃん」志願者を悶絶させた、おそろしく中毒性の高いゲームなのです。

 今でこそ、ごく当たり前に「萌え」という言葉が使われるようになりましたが、言葉が持つ意味を極めれば、ひとつのジャンルとして成立する、それを体現してみせたのが「シスプリ」ではないでしょうか?単なるイロモノ・企画モノで終らせるには勿体無いほど、強烈な存在感がある空前絶後の「萌えゲー」なのです!

「恥ずかしさを楽しむ」ということ

 実は、私は実際にゲームをやるまでは「シスプリ」のことが大嫌いでした。『ある日、突然12人の妹が!』という滅茶苦茶な設定を引き合いに出して、「奇抜な設定に安易に走るギャルゲー体質」について事あるごとに批判してきました。その反面、「恐いもの見たさ」はちょっとだけありましたが、つい勢いで予約を入れてしまったDC版で実際に体験してみると… 「お兄様ラブよv(咲耶)」…うわぁぁっ!こ、これは恥ずかしいぞっ!本気で耳まで赤くなってしまいました。 ゲーマー殺すにゃ刃物は要らぬ、萌え殺しの台詞さえあればいい。

 この手の妹属性に免疫のない人にとっては、そうとう刺激の強いゲームです。それなりの数のギャルゲーをこなしてきたと自負していた私でさえ、この特殊かつ特濃な味付けに慣れるまでには随分時間が必要でしたし、最後まで恥ずかしさが消えることはありませんでしたが、それでも十分に自分自身の「恥じらい」を楽しむことができました。もっとも、そのくらいの精神的な余裕を持って臨まないと、社会復帰に重大な問題が生じるおそれがありますので、くれぐれも、人としての道を踏み外さないよう、くれぐれもご注意下さい。

First written : 2002/05/03
Last update : 2003/10/31


※ギャルゲー恒例のキャラクター選評は、原稿を書くには書きましたが、今回は敢えて掲載しないことにしました。 このゲームではシナリオはキャラクターの評価にはまるで関係ないし、萌えの基準や趣向・性癖は百人百様ですから、優劣付けには何の意味もありません。いや、そもそも可愛い妹達に順位付けするなんてできない!(←バカ兄貴) ぜひ、自分だけのお気に入りにキャラを見つけて下さい。