「三者三葉」とは? 葉山照は、眼鏡に三つ編みの典型的な委員長だが、そのスタイルは打算と演出のキャラだと笑顔で言う、見た目によらずオープンで毒を放つ腹黒い人。好きな言葉は「生殺し」「ジワジワ」。決して怒らせてはいけない人。西川葉子(様)は、元超お嬢様だったが今はワケあってビンボー庶民生活に。主食はパンの耳。まだお嬢様気分が抜けなくて、お嬢様大爆発でわがままがぶつかりあって化学反応を起こして、未だにクラスで友達はいない。小田切双葉は、元気いっぱい大食漢娘。少々がさつだが料理が趣味のノーマルな常識人に見えて、実はさりげなく失礼なことを言ってしまうあたり、サタン葉山ちゃんとタカビー葉子様と友達というだけのことはある。名前に「葉」がつく、そんな3人の女子高生を中心としたまったり友情(なのか?)女子高生コメディ4コマ漫画、それが「三者三葉」なのです。 食べる・叫ぶ・マゾで・黒い この漫画を分かりやすく表現すると、「食・叫・M・黒」ということです。つまり、食べる・叫ぶ・マゾで・黒い。大変分かりやすいキャッチコピーだと思います。葉子様の家の元使用人:山路(山G)のストーカーまがいの過保護っぷりと極度のマゾっぷり。葉山ちゃんのお姉さん:葉山光のぽややんとした悪意の無い傍迷惑なマイペース。双葉の従姉妹:臼田桜の猟奇的な竹園の坊ちゃんへの好意。主役の3人だけではなく、その周囲の登場人物を巻き込むことで、上記のテーマはますます際立っています。 全員が個性的すぎると、ネタに偏りが生まれることで目立つキャラと目立たないキャラが出来てしまいがちですが、この作品に限って言えば、それぞれのキャラが互いを変わり者だと知った上で接しているので、ツッコミは遠慮なくぶった切るけど、相手が聞く耳を持つとも思っていないので、オチに力みが無くネタとして完結しているところに、他の作品にはない切れ味があるのかも知れませんね。 萌え4コマ雑誌で、萌えなくても笑える実力 作者によると、この漫画は「萌えない4コマ」ということですが、ドキドキビジュアルマガジンと銘打つ連載誌にあって、違和感無く独自の存在感を保っているのは、ある意味すごいことだと思います。やってることは、ほとんど食事中の会話や登下校時などの日常行動ですが、そこには萌えを露骨に意識したネタも、お手軽な下ネタもなく、元ネタを知らないと笑えないマニアックなネタも少ない。つまり、漫画として非常にストレートなのですが、萌えなくても十二分に笑える実力があります。 萌えマンガである前にギャグマンガであること。それは当たり前のことのようでいて実は中々難しい。ネタ一発の分かりやすい破壊力がない分、雑誌では読み流されてしまいがちですから。その代わり、ツボにはまれば何度でも読み返しても飽きない名作にもなりうる。萌え4コマの先入観に囚われずに、是非単行本で読んでみて欲しい逸品です。 First written : 2005/09/11
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