GM研 ゲームレビュー 「パワプロ」とは? 「パワプロ」とは「実況パワフルプロ野球9」の略称であり、販売本数・クオリティともトップに君臨するナンバーワン野球ゲームシリーズです。その最新作「9」は、新たにホームランの飛距離だけで日本を横断する「ホームラン君」モードを搭載し、恒例の「サクセスモード」はシリーズの原点である「高校野球編」へと回帰。今もなお進化し続ける定番野球ゲーム最新作の真価やいかに? ※PS2版とGC版は完全に同一内容ですが、わずかだが読み込み速度はGC版の方が早いし、アナログスティックの操作性はGC版の方が遥かに快適です(というより、PS2のアナログスティックは使い物にならない!)。真のパワプリャーは、ゲームキューブを新規購入してでもGC版を選ぶべし! サクセスモードのススメ 実は、私はこのゲームを「スポーツアクショゲーム」としては遊んでいません。私にとっては「パワプロ=サクセスモード」と極論してもいいほどであり、私にとってパワプロは「育成シミュレーションゲーム」なのです。サクセスモードで育成した選手を全チームCPU委任のオートペナントに投入して140試合を消化し、どの程度の活躍をするのか?能力値・特殊能力と成績の相関関係をアレコレ考えながら、延々とひたすら繰り返し遊ぶのがたまらなく楽しいのです! 公式の選手データが気に喰わない人は自分設定の実在選手を育成するもよし、最強選手育成理論を追い求めるもよし、野球漫画原作キャラを育成するもよし… サクセスモードの遊び方は、遊び手の想像力によって無限に広がるのです! が、しかし!あらかじめ警告しておきますが、サクセスモードの魔力に取り憑かれて心身に支障をきたしてたからと言っても、私は責任はとりかねます。何しろパワプロは「確率との戦いのドラマ」なのですから。ダイジョーブ博士の強化手術の成否に一喜一憂し、阿畑先輩の思いつき練習妨害に絶叫し、ケガ率12%の練習をドキドキしながら実行し、ドラフトで指名されず涙を飲みゲームオーバー …むしろ、思うように行かないこと・ロクでもない不幸の方が多いので、精神衛生上はあまり良くないです。しかし、煮え湯を飲まされ辛酸を舐めた先に、満足できる選手を作り上げた時の喜びは何倍にも倍化されるのです! 流されない、緩やかに進化し続ける野球ゲーム さて、サクセスモードの解説ばかりではレビューの体裁が悪いので、ついでに本編の解説もしておきましょう(って、ついでかよ!)。もとい、パワプロの選手の見た目は可愛らしくデフォルメされた巨大頭の2頭身キャラですが、その挙動は恐ろしくリアルであり、あらゆる選手のモーションを完全再現! 全球団に複数のデータ担当者を配する徹底的なデータ収集に裏打ちされた選手データのバランスの妙! 豊富な球種と特殊能力、絶妙の打球感とプレーの”間”が憎いほどに完全再現されています。 でもその反面、野球アクションゲームとしては難易度が上がりすぎてしまったのですが、アクション下手の方にもサクセスモードというオマケモードの存在によってシミュレータ的な楽しみ方も出来てしまいます。見た目だけ立派な「リアル系野球ゲーム」よりも遥かに本物志向の野球ゲームと言って良いでしょう。 グラフィックばかり進化させたり、毎年のデータ刷新にあぐらをかいていた野球ゲームはことごとく消え去りましたが、パワプロは質実剛健に野球ゲームの本質を追求し、サクセスモードを1本のゲームとして成立するほどまでに熟成させたのです。流されない、緩やかな進化は未だに続いています。パワプロは一体どこまで進化するのか… その行く末を追い続けてみたくなる逸品です! Last update : 2002/08/23
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