GM研 ゲームレビュー
「ももシス」とは? 隔週発行の漫画青年誌「ヤングアニマル」に約10年にわたって連載されてきた「ももいろシスターズ」が、先日ついに最終回を迎えました。ドラマCD化&TVアニメ化(1998 TBS「ワンダフル」アニメ枠)も実現し、新人漫画家「ももせたまみ」の人気を不動のものにした出世作、それが「ももいろシスターズ(以下、ももシス)」です。 連載開始以来、ずっとこの作品を追いかけてきたファンの一人としては、連載終了は寂しくもあり、またそれ以上に、楽しい時間を過ごさせてくれた作品への感謝の気持ちも大きかった。なぜなら、この作品は、エロ漫画に対して排他的な立場を取っていた私の価値観を変える大きな切っ掛けになったのですから。 健康的なソフトエッチ(駄洒落?)4コマ漫画 「ももシス」の見た目はどう見てもギャル度満載なお色気エロ漫画ですが、その実態は、いたって健康的なソフトエッチ4コマギャグ漫画です。連載されていた雑誌が雑誌だけによく誤解されますが、”絡み”どころか”ポロリ”すらありません。エロが目的の漫画というより、エロをネタにした駄洒落&ラブラブ漫画と言った方が正確です。ちょっと古い表現ですが、「カワイイ顔してババンバン」というやつであり、シモネタやオヤジギャグの連発をキャラの魅力で中和して全く下品さを感じさせない、独特の読感を味わうことができます。 レビューを書くにあたって久しぶりに1巻から読み直してみたのですが、初期の単行本を読んでいると「え?こんなのだったけ?」と自分の漫画記憶力を一瞬だけ疑ってしまいましたが、でも、それは年月共にネタも画力も確実に向上してきたという歴史の証明でもあるのです。むしろ、連載の中でこれほど目に見える成長を遂げた漫画家はなかなかいないと思います。 変わり続ける”女の子の強さ” 約10年に及んだ連載の中で、作者自身の境遇も、会社OL→パートタイマー→専門学校生→専業漫画家→主婦→母親(すべて兼漫画家)、というように目まぐるしく変化して行きましたが、この作品の登場人物もその時間と共に変化し成長して行きました。女の子は恋をして女性になり、やがて愛する人と結ばれて妻となり、そしていつかは母親になり… この作品が体現している【変わり続ける”女の子の強さ”】は、女性漫画家の視点だからこそ描くことのできたものであり、それこそが、この作品の最大の魅力だと思います。 見た目が「アレ」なのでその手の趣味のない人にはなかなか近寄り難い漫画ですが、そういうジャンルにマイナスのイメージを持っている人にこそ、価値観を変える切っ掛けとして是非オススメしたい逸品です。 Last update : 2002/11/06
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