チャージ!ふたば
同人誌サークル:ゆ〜のす通信
 創作  R/Cエンタテイメント  0〜2巻(続刊中) 
作者:ゆ〜のす

(C)2005-2006 ゆ〜のす通信/ゆ〜のす

「チャージ!ふたば」とは?

 埼玉の小さな模型店「ホビーショップ・ハットリ」のR/Cサーキットで、服部くるみは今日もマシンを走らせていた。オーナーの娘でもあるくるみは「無敵の看板娘」と呼ばれていることへのプレッシャーがないわけではないが、家業だからどうこうでもなく、それよりもR/Cが好きという気持ちの方が強くて、同レベルで競える戦友(パートナー)をずっと求めていた。

 そんなある日、店長の春日井小梅の妹で、静岡から上京してきた「春日井ふたば」がレースに飛び入り参加。姉の小梅からの借り物の入門用のマシンで、しかも初めて走るサーキットで、くるみの最新マシンにテールトゥノーズで迫る才能の片鱗を見せる。ふたばのマシンのバッテリー切れで勝負はお預けになったものの、同い年のライバル登場に、ハットリサーキットは大興奮の予感!

 「あずかんな大気」のゆ〜のすさんがお送りする、そんな12歳の少女達と、R/Cバカのおっさん達が繰り広げる、R/Cエンタテイメント、それが「チャージ!ふたば」なのです。

R/Cライフ・エンタテイメント

 「ラジコン漫画」というと、どうしてもレース中心の漫画をイメージしてしまいがちですが、ラジコンの楽しみは何もレースにだけあるわけではありません。確かに、ラジコンをいかに速く上手く走らせるかを競うR/Cレースは、一種のモータースポーツとして認知されていて、いわゆる「プロ」も存在します。そういうストイックなイメージもあって、敷居の高い趣味なのだと認識されているきらいがあります。確かに機材もパーツ代も決して安くはありませんしね…

 しかし自分でトコトンいじれる「おもちゃ」としての楽しみがある趣味だとも言えます。タイヤ、モーター、バッテリー、ギア比、足廻り、ボディ…自分でセッティングを決めて、自分自身でコントロールできる。こんなに奥が深くて面白いホビーは他にはありません。だからこそ、大のオトナも子供のように夢中になれる趣味として、今も幅広い世代に愛好され続けているのでしょう。

 サーキットでタイムを競う楽しみ方はもちろんあるけど、ただマシンをいじってセッティングを語り合い、マシンを走らせて仲間とワイワイ戯れる楽しみ方もあるのです。R/Cを操る人々のコミュニケーションと、サーキットに集う人々の空気を描くこと。「チャージ!ふたば」には、そんなエンタテイメントとしてのR/Cライフの楽しさがつまっています。

心から好きモノを好きだと言えること

 この漫画に登場する人物・地名・団体名はすべて架空のものですが、サーキットとホビーショップは埼玉県に実在するラジコンショップがモデルになっていて、そこでは、ガッツ軍団(ウオリアーズ)とよく似た3人組が見られるそうです。さりげなく、3人組の一人(通称:マンガ)にゆ〜のすさん本人が紛れているのも、ファンには笑いのポイントになっています。そうして、作者自身が心から楽しんで描いていることが、ビシビシ伝わってくるからこそ、読者にもストレートにその趣味の面白さが伝わるのだと思います。

 心から好きなモノを伝えるということは、簡単なようでいて実はとても難しい。一足飛びに奥の深さだけを伝えても初心者にはピンとこないし、眼の肥えた上級者は入門編では満足できません。重要なのはバランスの取れた紹介者としての視点と、その楽しさが育まれた場のリアリティと空気を生の言葉と感性で描けることだと思います。

 あずまんがパロディで”作品の持つ雰囲気”そのものを描いたゆ〜のすさんが、新たに挑戦する自他共に楽しめる”オリジナル”作品。ぜひ童心にかえって読んで欲しい逸品です。

※画像使用許諾:2006/05/29
First written : 2006/06/08
Last update : 2006/08/17

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