復刊の辞今も 今までも これからも
2001年12月号の発行を最後に、休刊したままになっていた総合レビューマガジン:「月刊GM研」が、約2年6ヶ月もの長き沈黙の時を破って、このたび復刊を果たすことになりました。2001年2月のgmken.comの立ち上げと同時に創刊され、2001年12月までの10ヶ月に渡って発行されていた本誌では、ゲーム・漫画・同人誌・書籍・音楽など、あらゆるジャンルのレビューに挑戦して、明確な締め切りを設定した中でレビューを執筆量産する、という物量的に非常に厳しい修羅場の連続でしたが、この貴重な経験を積むことができたからこそ、GM研レビューのその後の方向性を固めることができたと言えます。
本誌が休刊した2002年からは、レビューの月刊ペースを改めて、書きたいジャンルで書きたい作品を書きたい時に、という随時掲載という形態に移行しました。よりタイムリーなネタを掲載することが可能になったことで、飛躍的にレビューの閲覧件数も増えていきましたが、この手法にはいくつかの問題が生じてしまいました。それは、私自身が数字を意識しすぎて「ネタを選り好みするようになってしまった」ということと、「ジャンルによる偏り」が生じてしまったことです。物の良し悪しというものは、個人の主観であると同時に、相対的な客観という物差しでしか論じることはできません。書き手自身に雑多な経験があってこそ、その幅が広ければ広いほど、その奥行きが深ければ深いほど、語る言葉に信頼性が生まれるのです。文字レベルでいくら技巧を凝らしてみても、その背景を含めた”本物の言葉”が持つ力には敵いません。そこで、今一度レビュアーとしての自分を鍛え直すため、今回の復刊を実行することにいたしました。
ただし、レビュー総合誌「月刊GM研」の復刊は、レビューの掲載ペースを月イチペースに戻す、ということではありません。現行の通り、レビューの掲載は週1本を目標にして随時掲載していきます。月刊GM研とは、その月に掲載されたレビューを集めた改訂再録集であるとともに、不定期掲載では捌き切れないジャンルをフォローするためのものなのです。書きっぱなしではなく、定期的に文章に手を入れることとができるし、WEB連載小説などのように、締め切りがないとなかなか進まない書き下ろし企画の発表の場としても利用することができます。まだまだ手探り状態であり、コンテンツのフォーマットも本決まりではありませんが、充実した誌面作りを目指して精進して行きたいと思います。
今も 今までも これからも、GM研をよろしくお願いいたします。
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