monthly GM-ken Head Lecture

 第11回GM研所長講演

復活、躍進、そして飛躍…2001年を振り返る

2001/12/15

はじめに

 もうすぐ21世紀最初の年が終ろうとしています。ほんの数十年程前まで夢の世紀だと信じられてきた21位世紀は、20世紀と何ら変わるとことはありませんでした。いや、むしろ、20世紀的型社会の歪があらゆる箇所で浮き彫りになってしまいました。全世界に衝撃を与えたアメリカの同時多発テロ、グローバル経済の行き詰まりがもらたした底なしの全世界同時不況、中国・韓国の歴史認識の誤解を煽り立てた報道機関の情報操作…未来どころか、明日さえ見えません。

 GM研にとっても、2001年はまさに激動の1年間でした。1年間の活動休止からの復活、独自ドメインの取得、同人誌活動の開始、そしてレビューサイトとしての地位の確立…あっという間だったけど、心地よい疲労がその充実した日々を物語っている。その総決算として、GM研のこの1年間を改めて振り返ってみたいと思います。


復活

 GM研の前身機関「Game Manga 研究会」が、私の大学卒業とともに活動を休止してから約1年…私はずっと活動再開の準備をしていました。本当は2000年の夏を目処にして活動を再開する予定だったのですが、どうしても新しい活動方針が決まりませんでした。大学時代は学内のサーバーに間借りしていたので、大っぴらに外部に活動範囲を広げることはできなかった…その反動なのか今度こそは、あれもやりたい!これもやりたい!と欲求ばかりが先行してしまい、現実感のない机上の空論に振り回されるだけの日々が続きました。

 そんなある日、私は会社の同僚の影響で同人誌という世界を知る機会を得ました。約2ヶ月間秋葉原通勤をしていたにも関わらず、同人誌専門店に一度も足を踏み入れた事のなかった私は、初めて参加した「コミックマーケット58」でカルチャーショックを受けました。これまで創作というものに対して抱いていた私の甘い幻想を吹き飛ばし、創作活動のリアルな現実を思い知らされました。しかしそれと同時に、いかなる表現でも受け入れてくれる場があるのだ、という自信を深めることもできました。「とにかくやってみよう!」そう決意したのです。

 それから本業の合間を縫って本格的なサイトの設計に入り、2000年の年末にはレンタルサーバーの契約とドメイン取得を完了し、翌年の2001年1月には仮復活を宣言しテスト運用を開始。2001年2月にはレビューWEBマガジン「月刊GM研」の刊行を開始し、GM研は本格的に活動を再開したのでした。

 

躍進

 2001年の2月から月刊GM研を復活させたものの、GM研の活動方針はまだ完全に固まってはいませんでした。レビューWEBマガジンとしてスタートさせたものの、確たる自信もなく宣伝活動もまったくしませんでした。学生時代の友人たちの仲間内の範囲を越える事はなく、ただレビューだけが溜まっていきました…

 しかし、その地道な活動が陽の目を見る時がきました。蓄積されたレビューが有識者の目に止まるようになり、思い掛けない親交とリンクが生まれました。そのお蔭でじわじわと常連さんも増え始め、そして決定打になったのが、同人誌活動の開始でした。須賀原洋行先生の「それはエノキダ!」のパロディ同人誌を引っさげて、GM研は2001年夏のコミケに初めて同人誌サークルとして参加したのですが、その際、S先生のご好意によって、週刊モーニングで連載中の「よしえサンち」の作者近況欄で同人誌の告知をしていただきました。予想外に好調な販売を記録し、予想以上の好評をいただきました。名古屋での即売会遠征の際にはS先生との会談も実現し、これまでの活動のすべてが報われた思いでした。

 また、レビューでお世話になっている同人誌作家さんとの交流も積極的に行うようになりました。即売会では可能な限りご挨拶に伺うようにしていますし、メールや掲示板でもお付き合いを続けさせていただいています。紹介用の画像使用も快諾してくれていますし、レビューにもお褒めの言葉をいただいています。ただ単に自己満足でレビューを書くのではなく、誰かに喜んでもらうためにレビューを書く。それは私自らが同人誌活動を経験することで得た、創作の基本概念です。何のために、誰のために書くのか。それが自覚できた時、初めて「作品」は意味をもつのです。

 

飛躍

 この1年間のレビュー経験・同人誌活動経験を活かして、2002年、GM研は更なる飛躍を目指すため、次のステージへと移行していきます。今までは検索エンジンの偶然性による閲覧に任せていたレビューを、積極的な外部宣伝活動を行いGM研のレビューサイトとしての信用を向上させることで、アクセス数の増加(=期待の増加)に応えうるレビューの質的向上を同時に推進します。2002年2月に予定しているサイトの全面リニューアルを、どうかお楽しみに。

 2001年は私の人生のひとつの区切りの年だったと思います。現在25歳。創作を始める者としては、決してもう若くはありません。ですが、平均寿命を75歳とすれば、まだ3分の1。まだまだケツの青いひよっこです。焦らず騒がず、自分のペースで創作の道を歩いていこうと思います。私には華麗に天空を舞うための翼はないが、どこまでも歩いてゆける足があるのだから…

 それでは、読者の皆様、どうか来年もGM研をよろしくお願い致します。

 

2001/12/15 GM研所長 : gonta

 


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