ドリドリキャス子さん
「セゲいち」とは? 「セゲいち」とは、ゲーム雑誌のドリマガ(旧・Dreamcast Magazine)に連載されている、ゲーム業界・仁義無き抗争を描いたギャグ漫画「セガのゲームは世界いちぃぃぃ!」の略称です。ゲーム機を擬人化したキャラクターで、時事ネタにつっこみを入れたパロディでゲーム業界をおちょくりつつも、時には誰にも描けないタブーを笑い飛ばしてくれます。ボーダーラインギリギリの(しかも、微妙にはみ出している)その芸風は、まさに痛快無比!もはや笑うしかありません!大笑いした読後には、何故か遠い目をしたくなる寂寥感もありますけど… 私はサターン時代からの新参者のセガユーザーなので、残念ながら、それ以前の「セガ伝説」については、当事者(被害者?)として知る立場にありません。しかし、そんな私ですら、この「セゲいち」を読むことで、かつてのセガがいかに愛されていたのかが良く分かりました。出来の悪い子供ほど可愛いとはよく言ったものです。憎さ余って可愛さ100万倍!!「俺のセガ!」と誰もが言うくらい親しみを持たれたゲームメーカーは、後にも先にも他にはありえないでしょうねぇ… 泥だんご、黙認、そして撤退… 作者のサムシング吉松先生の本業はアニメーターなのですが、「セゲいち」のヒット(?)によって、今では「ゲーム機漫画の第一人者」として認識されているようです。(あんな危険なネタは誰にも書けないないだけ?)。吉松先生は、「この漫画は、ガキんちょがビルに泥だんごを投げつけて遊んでるようなものだから、見逃してくらはい」と、マンガの中で言っていたし、セガ側も、この作品のブラックジョークと反骨精神の裏から滲み出ている「応援メッセージ」を読み取って、ずっと好意的な黙認という立場を取って来ました。しかし、まさか本当にセガがハードから撤退してしまう日が来ようとは、夢にも思いませんでした。いつの間にか、ビルは平屋の掘っ立て小屋になっていたのです。 かつてない衝撃…それは、「セゲいち」にとってもひとつの転換期となりました。連載本誌も総合誌化宣言をしたことにより、セゲいちも「セガ一家」漫画から「セガ一家と愉快な他社ハードさん」というようにネタの幅も拡大することになりました。それとともにリスクも危険度も拡大!これからもセガある限り、ゲームがあるかぎり、ネタが尽きることはないでしょう。衝撃を笑劇へ…それこそがセゲいちの存在理由なのですから! セガのゲームは世界いちぃぃぃ! セガのハード撤退宣言をネタにした「セゲいち(2001年2月16日号)」の中に、キャス子のこんなセリフがあります。『これからは、全部のハードがドリキャスになるってことじゃない!』…このセリフに、セガファンの複雑な心境と逞しさを垣間見た気がします。そう、セガのハードは結局一度も世界一にはなれなかったけど、セガのゲームは世界一になれる(かもしれない)! 少なくとも、そう信じてくれている熱烈なセガファンがいるのだから、セガという会社は幸せ者ですよ。つくづく不思議な会社ですね。だからこそ、この作品のような応援のカタチもできるのでしょう。 (本郷さん)「それでは皆さんご一緒に!」
First written : 2001/11/01
Last update : 2003/10/31 |